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AED適正配置に関するガイドライン

AED適正配置に関するガイドライン一般財団法人日本救急医療財団 平成30年12月25日)

平成30年のガイドラインが推奨する設置場所を転載しますので、ご参考にお願いします。

 

【AED の設置が推奨される施設(例)】

① 駅・空港・長距離バスターミナル・高速道路サービスエリア・道の駅わが国では、公共の場所のうち、特に多数の人が集まる駅での心停止発生、並びにAED の使用例が多いとの報告がある。都市部において鉄道は主たる移動手段で年齢を問わず多くの人が集まる場所であり、一日の平均乗降数が10,000 人以上の駅ではAED 設置が望ましい。また、混雑する人混みの中で救命処置を円滑に行うためにも職員らによる周到な準備・訓練が不可欠である。

空港でのAED の必要性は①駅での理由に加え、長旅や疲労などによるストレスが高まる環境にさらされ心臓発作を起こしやすいと報告されている。欧米でも空港におけるAED の有効性は示されており、空港でもAED の積極的な設置が求められる。

② 旅客機、長距離列車・長距離旅客船等の長距離輸送機関

旅客機内は、長旅や疲労などによる心臓発作のリスクに加え、孤立して救急隊の助けが得られにくい特殊性からもAED の必要性が高い。旅客機内ではAED 使用例が一定頻度で発生しており、その有効性も実証されていることから、旅客機内にはAED を設置することが望ましい。同様に、新幹線・特急列車、旅客船・フェリーなどの長距離乗客便にはAED を設置することが望ましい。

③ スポーツジムおよびスポーツ関連施設

スポーツ中の突然死は、若い健常人に発生することも少なくない。また、心停止を目撃される可能性も高い。運動強度の高いサッカー、水泳、マラソンなどのスポーツでは心室細動の発生が多い。また、野球やサッカー、ラグビーなどの球技、あるいは空手などの格闘技では心臓震盪の発生が比較的多いことが報告されている。スポーツジムおよび管理事務所を伴うグラウンド、球場等、これらのスポーツを実施する施設にはAED を設置することが望ましい。

ゴルフは他のスポーツに比べ競技者の年齢が高く、ゴルフコース1 施設あたりの心停止発生率は、0.1/1 年と高い。また、ゴルフ場は郊外にあることが多く、救急車到着までに時間を要すると考えられることからも5分以内の電気ショックが可能となるようにコース内に複数のAED を設置することが望ましい。

④ デパート・スーパーマーケット・飲食店などを含む大規模な商業施設

わが国では従来からあるデパート、スーパーマーケット、飲食店に加えて、郊外型の大規模複合型商業施設が一般化した。さらに、日用品から一般医薬品まで販売するドラッグストアについても規模が大きな店舗が増加している。一日5,000 人以上の利用者数のある施設、(常時、成人が250 名以上いる規模を目安とする)には複数のAED を計画的に配置することが望ましい。

⑤ 多数集客施設

アミューズメントパーク、動物園、(監視員のいる)海水浴場、スキー場、大規模入浴施設などの大型集客娯楽施設、観光施設、葬祭場などには複数のAED を設置することが望ましい。

⑥ 市役所、公民館、市民会館等の比較的規模の大きな公共施設

規模の大きな公共施設は、心停止の発生頻度も一定数ある上に、市民への啓発、AED 設置・管理の規範となるという点からもAED の配置と保守管理に配慮することが望ましい。

⑦ 交番、消防署等の人口密集地域にある公共施設

人口密集地域にある公共施設は、地域の住民の命を守るという視点から、施設の規模の大小、利用者数に関わらず、AED を設置することが望ましい。

⑧ 高齢者のための介護・福祉施設

50 人以上の高齢者施設では、一定以上の頻度で心停止が発生しており、AED の設置が望ましい。

⑨ 学校(幼稚園、小学校 、中学校、高等学校、大学、専門学校等)

学校における心停止は、児童・生徒等に限らず、教職員、地域住民などの成人も含め一定頻度発生している。わが国で、学校管理下の児童・生徒等の突然死のおよそ3 割は心臓突然死で、年間30~40 件の心臓突然死が発生していると報告されており、学校はAED の設置が求められる施設の一つである。日本のほとんどの学校には、少なくとも1 台のAED は設置されているが、心停止発生から5 分以内の電気ショックを可能とするためには規模の大きな学校では、複数のAED を設置する必要がある。調査によれば、学校内の設置場所は多様である。しかし、学校における突然の心停止の多くは、体育の授業やクラブ活動で、ランニングや、水泳など、運動負荷中に発生しており、運動場やプール、体育館のそばなど、発生のリスクの高い場所からのアクセスを考慮する必要がある。さらに、施設が生徒や住民に開放されている土日祝日や夜間でも、こうした運動場、体育館や学童保育で使用できるように配慮することが望ましい。

⑩ 会社、工場、作業場

多くの社員を抱える会社、工場、作業場などはAED 設置を考慮すべき施設である。例えば、50 歳以上の杜員が250 人以上働く場所・施設にはAED を設置することが望ましい。

⑪ 遊興施設

競馬場や競艇場、パチンコ店などの遊興施設では極めて人口の密集した環境下で、交感神経機能が高まることから心停止発生のリスクが高い。さらに、目撃される可能性も高いことからAED の設置が望ましい。

⑫ 大規模なホテル・コンベンションセンター

ホテルやコンベンションセンターは、多人数が集まるうえに、滞在時間も長いため、AED の設置が望ましい。

⑬ その他

⑬-1 一次救命処置の効果的実施が求められるサービス

民間救急車などのサービスの性質上、AED を用いた一次救命処置の実践が求められる施設は、AED の設置および訓練が求められる。

⑬-2 島しょ部および山間部などの遠隔地・過疎地、山岳地域などでは、救急隊や医療の提供までに時間を要するため、AED の設置が求められる。